学校のブラック企業化への提言 その2 学校教員と予備校講師の対立問題

こんにちは。


今回は、学校のブラック企業化に対する提言の第2弾です。
前回の記事では、予備校と学校の融合、即ち、学校教師の分業化というお話をしました。授業は予備校講師に任せ、教員はそれ以外の指導や業務を行うべきという事です。

しかし、これにはいくつかの問題があります。その一つに、学校教員と予備校講師の対立問題があります。こう書くと、皆さんの中には意外に思う方もいらっしゃるでしょう。実は、誤解を恐れずに言えば、学校教員と予備校講師は犬猿の仲とも言えるのです。今回はその対立問題について、書いてみたいと思います。

私が今までお仕事をさせていただいた高校の内、いくつかの高校では露骨に予備校講師を敵視する教員がいました。縄張り意識というか、セクショナリズムが強いのです。
彼らの主張をまとめると

・予備校の授業と学校の授業は違う
・学校の授業は生徒の生活指導等も含まれる
・授業だけをすれば良い予備校講師と一緒にするな

このようになります。彼らなりのプライドがあるのでしょうが、あまりにも世間を知らなさ過ぎです。
おそらく、予備校に通う生徒はやる気のある生徒ばかりだから、生活指導など必要ないと思っているのでしょう。残念ながら、そこまでやる気のある生徒は、予備校でもなかなかいません。親に言われていやいや通っている生徒も数多くいるのです。その様な生徒は態度も悪く、他の生徒に悪影響を及ぼす可能性もあります。

想像してみて下さい。学校なら、それらの生徒を放課後や休み時間に呼び出し指導出来ます。しかし、予備校ではそれが出来ません。授業時間内に指導しなければいけないのです。

おそらく、学校教員のみならず、予備校がそこまで指導する必要があるのかと疑問に思うと思います。

たしかに、90年代までの予備校では、いわゆる大学教授の様なアカデミックな講師が一方的に講義をする。寝ている生徒がいても関係なく、一方的に講義をする。これが常識でした。しかし、現在ではその様な講師は絶滅しつつあります。

昨今の生徒が求めているのは、自分を着実に合格させてくれる授業です。もしくは面倒見の良さです。恐ろしい話ですが、例えば授業中に寝てしまうと、「起こしてくれない講師がひどい!」という発想に生徒のみならず保護者もなってしまうのです。

サービス業の予備校講師としては、当然顧客のニーズに応えなければなりません。結果、一方的な講義スタイルの講師は消え、授業内で生活指導もしてくれる面倒見の良い講師が生き残っていくのです。

つまり、学校の授業と予備校の授業の境界線であった生活指導が、現在では境界線にならなくなってきたのです。この様な現状を知らず、学校教員の中には予備校講師を授業だけしていれば良い職業と敵視する方が多いのです。

無論、予備校講師側にも問題はあります。
授業だけで生徒を引きつけ合格させなければ収入が激減してしまう我々予備校講師は、常にそのプレッシャーと戦っています。その結果、知識やテクニックの向上が至上命題となり、学校の授業との差が開いていきます。すると、予備校講師の中には学校教員を見下す様な態度を取る人が出てきます。それが、学校教員と予備校講師の対立を生むのです。

しかし、この対立は馬鹿げています。教壇に立って授業をするという共通点から、一見すると同じ職種に見える学校教員と予備校講師ですが、教育業とサービス業という歴然たる違いがあるのです。言うなれば、同じ球技だからとバレーボールと野球のどちらが優れているかを比べる様なものです。

あくまで私見ですが、予備校講師の生徒指導の技術は、ベテランの学校教員と比べるとまだまだな事が多いです。また、予備校講師より優れた授業をして生徒を引きつける学校教員に、残念ながらほとんどお会いした事がありません。(たまに、予備校講師にスカウトしたい教員の方にお会いします。ただ、毎回断られてしまうのですが・・)

これからますます少子化が厳しくなる時代です。私学の経営も厳しくなると同時に、我々予備校業界も苦しくなる一方です。この様な時代に、学校教員と予備校講師が対立するなどナンセンスです。双方が尊重しあうべきではないでしょうか。